10年前


10年くらい前に大変お世話になっていた人に会ってきた。
当時は、その人との関係はあまり良いものとはいいがたく、悩む日々を送っていた。
あまり悩むあまり、円形脱毛症にもなった。
自分自身が悩む性格ではないことを理解しているので、今から考えてみるとよっぽど苦しかったのだと思う。
でも、その人が本当はいい人だ、というのは心の奥で理解していたし、だからこそやりどころのない悩みに苦しんでいたのだと思う。
10年ぶりにその人に会いに行ってきた。
会った瞬間、涙があふれてきて、何も喋ることができなかった。
久しぶりに大泣きした。
10年前に、その人はそうせざるを得なかった理由が今では理解できる。
また、当時の自分の未熟さも十分理解できる。
それと同時に、その時の苦しさをばねに、10年間やってきたことを、自信をもってその人に見てください、ということができる。
感情が高ぶってしまったおかげで、十分にお礼の言葉も伝えることができなかった。
でも、これでまた近いうちに楽しく会える人が一人増えたということで、とてもうれしい。
というより、うれしくてたまらないのである。

雪が降るヨーロッパでの仕事が続きますが、もうひと踏ん張りです。