テヘラン



人との出会いは、どのような出会いであっても均等の価値があると考えて日々過ごしている。
ただ、やはり特に印象に残る出会いというのも数多くある。

今回もイランにて多くの人と出会う機会に恵まれ、彼らと厳しいミーティングをこなしてきた。
あるイランの大手企業で営業経験のある役員と話していた時に、営業をして案件を獲得するときに、会社の許可を得る時間がなければ自分で接待を進め、事後報告し会社が認めてくれなければ自分の給料から払っていたという話で意見交換をした。
私もこの手の人間であるが、ある時こういうことを行っていては会社の統制や秩序が取れないと思い、抑えるようにした。

弊社では、常々スタッフには経費は無制限、但し半額は自分で負担するという方法を冗談半分で話している。
このような制度は、個人に必要以上の負担を与えることになり、企業としては避けるべきである。
また、個人のポケットマネーで信頼が築けるほどビジネスは甘いものではない。

会社の成功のために個人の金銭を犠牲にするという考えは、決して美徳化されるものではないが、全ての行動の裏にはある種の哲学がある。
そして、どのような哲学も意味がある。

国境を超えて、似たような哲学で悩み、仕事を通じて実践し、成長してきた人と会えたということは、やはり印象深かった。

国も違い、年齢も違い、ビジネス環境も違う中で、自分の経験やこれからどのようにビジネスを展開していくかを考える良い機会となった。